前の記事でソフトフォークを紹介したね。
今回は2種類のフォークのうち、ハードフォークとはどのようなものなのかということについて話していくよ。
またソフトフォークとの違いは何なのかも見ていこう。
ハードフォークとは
ハードフォークとはブロックチェーンが分裂して新しい仮想通貨が誕生することをいいます。
それまでのブロックとは互換性のないブロックを連ねることで、それ以降は以前のブロックチェーンとは別のブロックチェーンが続く仮想通貨の分裂のことを言います。
ハードフォークの事例
実際のハードフォークの事例としては、2016年7月に行われたイーサリアムとイーサリアムクラシックの分裂や2017年8月に行われたビットコインとビットコインキャッシュの分裂などがあります。
イーサリアムのハードフォーク
イーサリアムのハードフォークの原因は※The DAO事件と呼ばれるハッキング事件です。このハッキング事件により数十億円相当のイーサリアムが盗まれており、救済措置としてハードフォークが行われました。
<※THE DAO事件>
2016年に行われたICOで大量のイーサリアムが不正流出したことから始まりました。イーサリアム上の分散型投資ファンド「THE DAO」にて資金移動システムを狙ったハッキングが発生しました。
集められた資金の3分の1にあたる364万ETHが流出しました。これは当時の全ETH発行量のおよそ5%を占めていました。
イーサリアムはハードフォークによりブロックサイズを大きくし規模も大きくなりましたが、一方でイーサリアムの仕組み自体には問題がなかったとする少数派のメンバーによって元のイーサリアムの形式を利用し続けることとなり、結果的にイーサリアムクラシックとなりました。
ビットコインのハードフォーク
ビットコインとビットコインキャッシュのハードフォークは※スケーラビリティ問題が原因でした。
※スケーラビリティ問題
ブロックチェーンにおいて、1つのブロックの中に書き込めるトランザクション(取引履歴データ)の数が限られていることが原因で起こる問題です。ブロックの容量がフルに達するまでデータが書き込まれると処理速度が低下してしまい、送金遅延が起きてしまいます。
解決策は2つあります。
- ブロックサイズを拡大する
- 取引データを圧縮する
この2つの解決策をめぐって意見が対立し、それぞれの解決方法を採用した結果、ブロックサイズを拡大する方法がブロックチェーンの互換性がなく仮想通貨の分裂を起こすハードフォークだったのです。それによりビットコインとビットコインキャッシュに分裂することになりました。
ソフトフォークとハードフォークの違い
ソフトフォークもハードフォークも今まで適用されてきたルールから新しいルールが設定される点においては似ていますが、両者には下記のような大きな違いがあります。
- ソフトフォーク:その仮想通貨のバージョンアップ、仕様変更
- ハードフォーク:新しい仮想通貨の誕生、ブロックチェーン自体の仕様変更
ソフトフォークは分岐が起こっても最終的にはどちらかのルールに収束し一本化されるのに対し、ハードフォークは分裂により新しい仮想通貨が誕生します。その後も収束することはなく、永続的な分裂になります。
その仮想通貨自体を改良するソフトフォークと、全く別の仮想通貨として作り出すハードフォークってことか!
簡単にいうとそうゆうこと!